「痛風」「尿酸値」って何ですか?
1、12月に入り忘年会の季節となりました。
尿酸は血液などで溶けながら体内を循環し、尿中に排出されてバランスをとっています。ところが何かの原因で血液中の尿酸濃度が上昇して基準値を超えると体内に蓄積してしまします。
尿酸が溶ける基準値は男女ともに7㎎/dl以内です。これを超えると「高尿酸血症」と診断されます。もともと尿酸濃度の数値は男性が高いので、痛風は男性に多いです。予備軍も含めると全国で約700万人に上ると言われています。
尿酸値の高い状態が続くと結晶が関節にたまり、激しい関節痛を起こします。
これが一昔前まで「ぜいたく病」といわれていた痛風です。風が吹いただけでも激痛が走ると表現されたのが、病名の由来です。
2、痛風は、ひとたびかかると年に1、2回の発作が起こります。数日間で痛みは治まるが完治したわけではありません。
ふいに再発するやっかいな病気です。放置すると悪化し、関節以外にも結晶の塊ができることもあります。
腎機能障害のほか、高脂血症や尿路結石、糖尿病、心疾患など命に関わることもある合併症もあるので怖いです。
3、尿酸はどうして作られるのでしょうか。あらゆる食品にプリン体といわれる物資が含まれています。このプリン体が体内で化学反応を起こして尿酸に変わります、いってみれば尿酸はプリン体が捨てたゴミになります。このゴミを処理できないと関節などにたまって痛風の引き金になってしまします。
問題のプリン体はビールに多く含まれています。近年、「プリン体ゼロ」「プリン体カット」をアピールするビールが増えました。しかし、アルコールを飲むと一時的に尿酸値が上がるといわれており、大酒飲みには気休めかもしれません。
4、痛風は遺伝もかかわるようですが、食生活や生活習慣の改善で好転します。当然ですがプリン体を多量に含む食品を回避すれば尿酸値は正常範囲内に収まります。
プリン体を多く含む代表格は、豚や鳥のレバー、白子、エビ、イワシ、カツオなどです。
プリン体は水に溶けやすいため、トリがらや豚骨で取った濃厚スープにも注意です。寒い季節には食卓に鍋物が登場しがちだが、栄養たっぷりの素材を煮込むとプリン体がスープに溶け出し、尿酸値がアップしてしまいます。痛風予備軍は、シメの雑炊など要注意です。
5、尿酸値を下げるには何を食べればよいでしょうか。
尿酸はアルカリ性食品で中和されます。緑黄野菜だとホウレンソウやニンジン、イモ類ならジャガイモ、サツマイモなど、ワカメやヒジキなどの海藻類も良いです。野菜中心の食事でバランスよく摂取します。
痛風は肥満も大敵だから、ウオーキングなど適度の運動で体重管理も同時に行いたいです。