自律神経と冷えの関係
1、自律神経は自分の意思とは無関係で、自動的に働くことから自律神経と呼ばれており、胃や腸の働きや心臓の拍動、代謝や体温の調節など、人間が生命を保つうえで、欠かせない働きを担っています。
自律神経は目覚めているとき、興奮しているときに優位になる“交感神経(お目覚めモード)”と眠っているときやリラックスしているときに優位になる神経“副交感神経(リラックスモード)”から成り立っています。
血管は、交感神経が優位のときに収縮し、副交感神経優位のときに弛緩します。
2、しかしながら、交感神経と副交感神経のどちらも、極端に優位な状態になると、血めぐりは悪くなります。血液は、必要な栄養素を運んだり、老廃物を掃き出したりする働きをすると同時に、全身に熱を運びます。すなわち、血めぐりが悪くなれば、身体が冷え、“冷え性(冷え症)”に陥る可能性があります。
“乱天候冷え(らんてんこうびえ)”の改善には、血管は収縮しすぎず、かつ、弛緩しすぎないという中程度の状態を保つことが一番です。
そこで、日ごろから血めぐりをよくして、1日の生活の中で、交感神経と副交感神経のバランスを整える、すなわち“交副リズム”(図②)を整え、適度な緊張とリラックスというバランスの取れた状態にすることで、“乱天候冷え(らんてんこうびえ)”を克服しましょう。
3、朝の自律神経ケア「適度な運動」
朝は、副交感神経が優位な状態から、お目覚めモードにするために、ウォーキング、駅はエレベータではなく階段を使い、血めぐりをよくしましょう。
洗濯物を干すときに、しゃがんで立つ動作「洗濯物干しスクワット」も効果的です。
適度な運動は筋力アップにもなりますので、代謝も上がり、身体を温めてくれるのです。
4、昼の自律神経ケア 「目もと温め」
午前中の慌ただしい家事や、一旦、会社につき仕事が始まると、パソコン作業などで目が疲れたり、ストレスが溜まったりしているので、交感神経が優位になり“冷え”がちです。眼球をコントロールする神経は、副交感神経であるため、お昼休みに市販の蒸気が出るアイマスクなどを使用して目を温めると、そのスイッチが入って血管を開くため、身体がリラックスモードになり温まります。
5、夜の自律神経ケア 「お風呂と首もと温め」
夜は日中交感神経が優位になってしまった身体をリラックスさせ、副交感神経を優位にするようなケアが大切です。
お風呂は副交感神経を優位にしてくれる最適な血めぐりケアです。
ゆっくりとぬるめのお湯につかることで心身ともに緊張をほぐし、血めぐりをよくしましょう。
炭酸ガス入浴剤は、体表面を温め、拡張した血管に流れる血液を温めます。
温まった血液が、体全体に循環し、身体の深部まで温めることができるため、温かさが持続するのです