筋肉痛
カテゴリー:全身の症状
症状解説
筋肉痛はその原因によって何種類かに分けられます。一つは、「遅発性筋肉痛」です。
筋肉は、活動中に、収縮(ちぢむ)と弛緩(ゆるむ)を繰り返しています。力が発揮されるのは収縮しているときだけです。ではなぜ痛みがでるのか、筋肉痛になるには、収縮している筋肉を伸ばす「負荷」が必要となります。
例えば、ひじを曲げてダンベルを上げ下げする運動ではダンベルが負荷となります。
また、マラソンでは体重が負荷となります。ダンベルを上げるとき、筋肉は収縮しながら力をだす「短縮性運動」と、そして下げるときは、力を出しつつも筋肉の長さが長くなる「伸張性運動」と呼ばれています。筋肉痛は伸張性運動でおきます。ほとんどのスポーツの動作には伸張性運動が含まれているので、運動をする際に、伸張性運動を避けるのは困難です。
では、なぜ伸長性運動で筋肉痛が生じるのでしょうか?筋肉痛に詳しい、オーストラリア、イーディス・コーワン大学の野坂教授は次のように言っています。
「以前は筋繊維の損傷が原因と考えられていましたが、近年になり、結合組織の損傷が主な原因だとわかってきました」なるほど、結合組織は、筋繊維どうしをつなぎとめる働きを持つたんぱく質からなる組織です。
伸張性運動を繰り返し行うと、結合組織に微細な傷がつく。すると傷の修復や死んだ細胞の除去のために免疫細胞が集まり、「炎症」が起き、その際、免疫細胞が放出する分子が痛みを感じる神経を刺激し、脳に「痛み」が伝わる。
これが、筋肉痛です。