西洋医学と東洋医学の「健康な状態」の考え方の違い
現代西洋医学では、「健康とは心身がある一定の状態に保たれていること」と考え、そこから外れたら「病気」であるという概念が根底にあります。つまり、検査数値が正常値で一定であることが「健康」であり、外れたら「病気」ということになります。
また、現代西洋医学では、「人体は様々な器官の集合体」であると考えるため、病気がある部分を細分化して探り、病巣を取り除くという治療法のため、検査により、数値が異常になっている部分に病気があると考え、診断や治療につなげています。
「健康診断」や「人間ドック」などの検診では、脈拍や血圧、血糖値、心電図など、数値化や映像化したデータをとり、その数値で「健康」かどうかを判定します。検査の結果、数値に異常が見つかった場合は、数値を正常値に戻すための、投薬などの治療が行われます。
一方東洋医学では、「健康とは心身が環境に応じて、絶えず変化しながらバランスを取っている状態」であり、何らかの理由で変化が停滞し、バランスが崩れると、「病気」が生じると考えます。
また、東洋医学では「人体は全身が関連するひとつの有機体」であると考えるため、病巣に注目するのではなく、病巣を含む全身の状態に注目します。四診(望診、聞診、問診、切診)を駆使して観察することで、バランスが崩れている部分を探り出し、治療方針を打ちたてます。また、自覚症状に重点が置かれることも東洋医学の特徴です。