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健康コラム

「おたふくかぜ」が流行の兆し

1、「おたふくかぜ」が増えています。「おたふくかぜ」は近年は3~4年の周期で全国的な増加がみられているのですが、今年は秋から冬に向けて徐々に増加しており、2010年の流行以降で最多の患者数が報告されているようです。
おたふくかぜ、正式名は「流行性耳下腺炎りゅうこうせいじかせんえん」といいます。風邪のように流行して、感染した人は耳下の部分が腫れることから、このように名付けられました。
「おたふくかぜ」も、頬の部分が腫れることが多いことから、このように呼ばれるようになりました。
実際には、ウイルスによって唾液腺というところが腫れるため、耳の下(耳下腺)だけではなく、あごの下(顎下がっか腺)の部分が腫れることもあります。

 

2、流行性耳下腺炎は、ムンプスウイルスという病原体によって感染します。感染した人の唾液にはウイルスが含まれているため、その人が咳せきやくしゃみをした時に飛び散った飛沫ひまつを吸いこんだり、唾液で汚染された部分を手で触れて、その手を自分の口にもってきたりして感染します。
流行性耳下腺炎を発症すると、耳下部や顎の部分が腫れ、微熱や高い熱がでることもあります。腫れたところに強い炎症が起こることで、腫れたところを触れたり、口を開ける時などに強い痛みを感じたりします。また、ウイルスは両側の唾液腺に感染することがあるため、片側だけではなく両側が腫れる場合もあります。

 

3、流行性耳下腺炎は、ウイルスに感染してから発症するまでに、2~3週間という比較的長い期間がかかります。したがって、もしもあなたが流行性耳下腺炎を発症したならば、その2~3週前に接した人が「おたふくかぜ」だった可能性があることになります。
しかし、流行性耳下腺炎は、ごく軽症ですむことや、感染しても症状がほとんどみられないこともあります。このように症状のない例は「不顕性感染ふけんせいかんせん」と呼ばれ、ムンプスウイルスに感染した人の約30%は不顕性感染であるとされています。
本人も発症に気づかないまま、他の人に感染させていることもあるのです。

 

4、今のところ、原因となるウイルスに対する、直接の治療薬はありません。したがって、発症してしまった場合の治療は、痛みや発熱への治療や、痛みで水分をとれない時の点滴など、起こった症状への治療のみとなります。
流行性耳下腺炎は、ウイルスに対して自分がつくる抵抗力(免疫)によって治っていく感染症であり、多くは1~2週で自然に改善していきます。

 

5、流行性耳下腺炎では、髄膜炎、脳炎、睾丸こうがん炎、卵巣炎、膵すい炎、難聴などの様々な合併症を起こすことがあり、それらによる後遺症を残してしまうことが最も大きな問題となっています。
重症の脳炎では、意識障害を起こして死亡してしまったり、改善しても麻痺まひなどの後遺症を残してしまったりすることがあります。
また、思春期以降の男性では睾丸炎を、女性では卵巣炎を合併することがあり、不妊症の原因となる可能性があります。難聴も、まれではあるものの、発症してしまえば障害が残りやすい合併症です。

 

6、ワクチンによる予防接種は、本人の免疫力を利用して感染に対する抵抗力(抗体といいます)を準備させ、病原体による感染や発症を予防します。流行性耳下腺炎では、世界の多くの先進国において「定期接種」による「2回」の接種が義務づけられており、大きな流行が起こりにくい状況となっています。しかし、日本では今のところ定期接種ではなく「任意接種」となっており、接種の判断は保護者や本人に任せられています。このため、接種しても1回のみであったり、接種していなかったりする人も多くいるため、数年に1度の流行を繰り返しているのです。
流行性耳下腺炎の多くは、発症しても自然に改善していきます。しかし、重篤な後遺症を残す合併症については、ワクチンによって感染を予防するしかありません。したがって、今は任意接種ではあるものの、やはり2回の予防接種を受けることがすすめられているのです(公費助成を行っている地域もあるので、接種する場合には自治体に確認しておきましょう)。

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